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金襴のご説明

金襴とは

金襴とは、綾織(あやおり)・琥珀織(こはくおり)・繻子織(しゅすおり)などの布地組織に、紙に金箔を貼り細長く切った平金糸(ひらきんし)や、糸に金箔を巻き付けた撚金糸(ねんきんし)を緯糸(よこいと)に織り込み、金糸や色糸で模様を顕した古来中国に起源を持つ伝統的な紋織物の一種です。 元々は正絹糸や綿糸そして本金箔の金糸のみで織られた豪華絢爛な織物でしたが、時代の進化に伴い合繊やアルミ金糸を使い時代のニーズに合った金襴が織られ、現代では金糸を使わない無金物(むきんもの)と呼ばれる詫び寂びを出した織物も含めて金襴と呼んでいます。

金襴の由来

金襴の製造は、中国の宋代(10世紀~12世紀)に金箔糸を織り込む技術が編み出され、明代(14世紀~17世紀)に全盛期を迎えました。 金襴の名称の起りは判然としませんが、元代(13世紀~14世紀)の《事林歴記》官民服飾の条に「四品五品金袖襴」とあり、これが袖と襴(衣の裾につく襞)に金文のある衣服と解釈されることや、道元の著 《正法眼蔵(1231~53)転法輪》に「たとひ金襴衣なりとも、仏祖すでに拈来すれば仏法輪なり」とあり、この頃には金糸が入った袈裟を金襴衣(きんらんえ)と認識されており、金糸入りの襴衣の名が転じて織物の名称として用いられているようになったと思われます。(世界大百科事典・コトバンクより)

日本には、鎌倉時代に入宋の禅僧が伝法印可のしるしとして授けられた袈裟や書画の付属品として持ち込まれ、室町時代には朝貢の返礼として、また交易品として盛んに舶載されるようになりました。 国内で初めて織られたのは、天正年間(1573~92)に大阪堺にて明の職工の指導のもとこの種の技法が伝えられ、のちに京都西陣で盛んに織られるようになりました。 それらのうちで茶道の仕覆(しふく)や軸物の表装などに用いられていたものが名物裂として珍重され、今日に伝えられています。 そうした金襴は能装束、袈裟、帯、装飾用布地、人形衣装着など様々な用途に用いられるようになり今日に至ります。

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